ようやく読了です。いや、3冊しか無いのに、なんでこんなに時間がかかったんだか…

「エルジェーベト」
 Cuvie著
 講談社刊

舞台は19世紀のオーストリア=ハンガリー二重帝国。いや、正確には二重帝国が成立する時代です。

当時は小国に分裂していたイタリアが統一され、同じく分裂していたドイツがプロイセンによって統一された時代です。ナポレオンが活躍した後の時代で、ハプスブルク家が没落しつつあったのも、この頃です。まぁ、没落していった結果、オーストリア帝国はオーストリア=ハンガリー二重帝国となるのですが。

この時に皇后であったエリーザベト・アマーリエ・オイゲーニエ・フォン・ヴィッテルスバッハをモデルにしたフィクションです。ちなみに「エルジェーベト」というのは「エリーザベト」のマジャール語読みです。

個人的にはここから第一次世界大戦に向かうあたりの歴史に興味があります。大学で受講した世界史の講義がちょうどこの頃を取り扱っていたこともあるのですが、オーストリア=ハンガリーの姿が長いヨーロッパの歴史で「国」というものがどういうものであったのかを知る手がかりだと思っているからです。

ちなみにこの二重帝国という制度は、オーストリア帝国の皇帝とハンガリー王国の国王を同じ人物が務めることからついています。実はハプスブルグ家の領土が最大だった頃は、ドイツや北イタリア、さらにはスペインまでも領土となっていました。これはスペイン国王も兼ねていたからです。

この制度はいまでもイギリスにて使われています。ちなみにイギリスという名称の国はなく、正式には連合王国(United Kingdoms:UK)です。イングランド王国、スコットランド王国、ウェールズ王国、北アイルランド王国の4つの国の国王をエリザベス2世が1人で兼ねているため、正式名称はUKなのです。地図によっては「グレートブリテン島および北アイルランド連合王国」と書かれている地図もありますね。

というわけで、私もなるべく「イギリス」とは言わず、「UK」を使う様にしています。またアメリカ人は自分の国のことを「USA」と呼ぶので、こちらもできるかぎりUSAを使うようにしています。

今月の歩数:63,684歩
今日の体重:72.3kg