今日の紹介は「科学畫報(科学画報)」です。発行は大正12年8月で、第1巻第6号(9月号)ということになります。

この時の特集は「光の分散」でして、まぁ、虹とかスペクトルとかを扱っているわけです。

以下、面白いと思った紙面の内容を列挙します。

東京天文台の古川龍城氏による星空の案内。アンドロメダ銀河の説明があるのですが、その部分を引用します。
「アンドロメダ星座には有名なアンドロメダ大星雲(螺旋状)あり、圖にもあるが、それが星雲としては珍しく肉眼でよく見える。元來星雲には二つの種類があり、一をガス状星雲、他を螺旋状星雲と名づけ、全然その構造、性質を異にして居るもので、後者は吾々の銀河系より独立した他の宇宙系統である。」
「他の宇宙系統」とか「螺旋状星雲」とか、もう年代を感じます。大正12年ということは1923年ですので、シャプレー・カーチス論争のまっただ中で、まだハッブルによる結論(1924年)が発表される前です。そのタイミングで上記のような記述をしたというのは、結構勇気の要ったことではないでしょうか。もしかしたらカーチス派だったのかも知れませんが。

あとですね、近刊予告として「趣味の無線電話」とか、既刊として「最新 電気の知識」なんてのもあります。「誰にもわかる固苦しくない本」といううたい文句は、何となく、今のパソコン本に通じるものがありますな。

そうそう「今おほはやりの淸凉水」という記事もあります。これね、「コカコーラ」です。こんな頃からあったんですねぇ。記事によると、この雑誌の出る2~3年前から、東京や大阪等の少し気のきいたカッフェーではメニューにあったということですから、1920年頃から日本でも飲まれていたということでしょうか。

こんな面白い雑誌だったら、もう何冊か買っておけば良かった。

 

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