今日は午後半休をいただき、池袋にあるサンシャインへ。ここにあるコニカミノルタ・プラネタリウム株式会社直営のプラネタリウム「満天」の試写会にやってきたのです。明日から上映が始まる番組を先に見ることが出来ますので、今回は会社休んでまで観に来ました。
毎回、試写会のお誘いをいただいていますので、本当はその都度やって来たいのですが、さすがに仕事の締め切りが重なったりで、毎度毎度というわけにはいかないのが難点ですね。

さて、ネタバレは良くないので中身には触れませんが、今日観た番組3本+ショート番組1本の雑感をご報告させていただきます。

全体的には
「さすが『満天』」
と言いたくなるような、クオリティの高い作品に仕上がっています。集客を考えるなら、ハードウェアもソフトウェアも金をけちっちゃいけないし、どんな層をターゲットして番組を作るのかを明確にしなければいけません。その辺は5年間の積み重ねは伊達じゃないな、と感じました。
古いスライド投影機だけで、子どもだまし(子どもすらだませないレベルですが)のキャラクターを使った番組なんぞはやりません。またやって来たくなるような設定・選曲などは、他の館も見習ってほしいものです。

では続いて、個々の番組の感想を。

ショート番組「太陽が消える!? 7・22皆既日食」
奄美大島で日食を観たら?というコンセプトで制作された番組です。まぁ、日食の様子がドーム全体で表現されますので、なかなか見応えがあります。一般の方だと、日食を現地まで観に行った気になりそうですね。
そしてやっぱり、日食が起きるときの太陽・地球・月の位置関係をわかりやすく解説するには動画に限ります。しかもドーム内での全天映像は、自分がその視点に立って見下ろしたり、見渡したりできるのが最大の魅力です。こういう映像はわかりやすくて良いよなぁ、と思いましたね。ドームには静止画ではなく、やはりこういう映像が似合うんですよ。

プラネタリウム番組「銀河の輝き 天の川 宮沢和史とめぐる星空の旅
THE BOOMが20周年、「満天」が5周年ということで、提携して制作された番組です。THE BOOMの宮沢氏が語りを行っている番組なので、ファンの方は必見かもしれません。全体的なクオリティーも高いです。
ただ、個人的に難点を2つ。これは宮沢氏の声の質のせいなのか、音響設備のせいかはわかりませんが、所々、BGMと語りの声が不協和音になってしまっているところがあり、聞き取りにくい箇所があります。ノイズが入ってしまったような印象を受けてしまうのです。もしかしたら一般のお客さんにはわからないレベルなのかもしれませんが、元本職としては「ちょっと何とかしたいなぁ」という印象を持ちました。
もう1つはシーンンとシーンの間の余韻があまりないこと。BGMを絞るフェードが短い。そこにすぐに次のBGMが乗っかってきて、語りが始まってしまうのです。何カ所かは
「もうちょっと、あと2秒の間があれば余韻が楽しめるのに」
と思ったところがありました。全体的なクオリティが高いだけに、少し元シナリオライター、元演出家としては不満の残る作品でした。


ヒーリング番組「星のせせらぎ
 アクアヒーリング
「水」をテーマにしたヒーリング番組です。番組中、シーンに合わせて2種類のアロマの香りが場内に流れます。これは専門の会社に依頼して、シナリオを読んでもらったうえで、合いそうな香りを調香してもらってるんだそうです。なかなか良い演出ですね。
しかし内容は…うーん、これは意見が分かれるところだなぁ。個人的にはイマイチ。水樹奈々さんの語りですので、ファンの方は見られればいいと思いますが、天文ファンには物足りないでしょう。
また純粋に「ヒーリング」を求めてきた方にも、しんどいかもしれません。理由は、全体的に、5分程度のショート番組を単純につなぎ合わせた様にしか見えない点です。それぞれが短くてゆったり出来ないんですよね。その上、シーンとシーンがあまりきれいにつながってなく、唐突に話が飛んでしまう印象を受けてしまうのも、イマイチな原因かもしれません。
とはいえ、これも一般の人にはわからない程度なのかもしれませんけど。私、気にしすぎかな?

特別番組「銀河鉄道の夜」
この「満天」で初上映だった本番組。当時は星はプラネタリウム本体で映し、それ以外の部分をCGにしていたんだそうです。その後、全国展開する際に降るCGに作り直して配給。今では海外も含めて55館で上映される番組になったんだそうです。
今回「満天」では、このフルCGヴァージョンを初めて上映するんだそうで、制作者のKAGAYA氏が挨拶を行いました。また、次回作の予告編が1分間ついています。しかも「満天」のシステムは映像クオリティの高いドームに仕上がっていますので、他の館で観られた方も、是非再度見比べてみてはいかがでしょう。ちなみに私は、今日のが3館目だったりします(苦笑)。

 

ということで、3時間かけて3本半を観てきました。明日からはお金を払えば誰でも観る事ができますので、お時間のある方はちょっと覗いてみてください。