カテゴリー: 書籍・雑誌

星空の二人

谷甲州氏の「星空の二人」を読み終えた。買ってから3ヶ月近くほったらかしていた計算になる。
内容は短編集で、下記の作品が収録されている。
「緑の星」
「星の夢に」
「五六億七千万年の二日酔い」
「彷徨える星」
「繁殖」
「スペース・ストーカー」
「ガネッシュとバイラブ」
「星空の二人」

「緑の星」「星の夢に」「彷徨える星」「繁殖」の4編は同じようなテイストの作品である。谷甲州らしいかといえば、どちらかというと星野之宣が書きそうな感じがする。
むしろ谷らしいのは「ガネッシュとバイラブ」「星空の二人」ではないだろうか?特に「ガネッシュとバイラブ」では汎銀河大戦後という「惑星CB−8越冬隊」と同じ世界観を共有している。
あと、私にとってちょっと異色だったのは「五六億七千万年の二日酔い」「スペース・ストーカー」の2作。うーん、何というか「変に理屈っぽい梶尾慎治のブラックギャグ」系小説と言ったところか。特に「五六億」の方はインド仏教哲学をかじってから読むと、もっと面白いこと請け合いである。

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老ヴォールの惑星

とりあえず新幹線の片道で読み終えた。「第六大陸」で有名な小川一水氏の中編小説集である。
内容は
「ギャルナフカの迷宮」
「老ヴォールの惑星」
「幸せになる箱庭」
「漂った男」
の4編である。個人的には、最近発見されてきた「ホットジュピター」と呼ばれる、恒星のすぐそばを巡る惑星に生まれた生物たちの物語である表題作「老ヴォールの惑星」と、最後の「漂った男」が気に入った。もちろん他の2編も面白いのだが、一押しが出来ないので、二押しということで(苦笑)。
ネタバレしないようにここでは書かないが、特に「漂った男」は「おお!こういう表現もあったか!」と思わせる内容だ。これなら国語の教科書に載せてもいいかも。教科書会社の方々、検討してみませんか?

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終戦のローレライ

ようやく読み終わった。文庫版は全4巻ということで、非常に時間がかかったが、ここへ来て一気に読み上げることが出来た。うーん、作者の力量を感じさせる作品だ。
読んでいない人がいたらネタバレになるので詳細には書かないが、第二次世界大戦、高度経済成長、そしてバブル崩壊と時代が移りゆく中で、今の日本人に何が足りないのか?今の日本の立場や位置はどこにあるのか?を再確認し、そしてもう一度自分の目で見つめ直さねば、と考えさせられる作品であったとだけ言っておこう。戦争を知らずに育った私ではあるが、この作品が訴えている本質だけからは目をそらさず、シッカリと見つめ続けていきたいモノだ。

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