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個人事業主+夜空鳥試作所

創作活動

企業活動

プラネタリウムで結婚式 Part.2(準備編その2)

さて、準備編その2です。

場所が決まると、実際に内容を詰める段階に入ります。決める必要があるのは、式の内容と呼ぶ人数です。まずは呼ぶ人数から考えましょう。

プラネタリウムには当然定員があります。これは館によって異なります。ですので、まずは定員を確認しましょう。我々が式を行ったプラネタリウムは座席数が170あります。つまり最大170人入るわけです。
逆に言うと、もし来賓を30人くらいしか呼ばなかったら、会場はすかすかになってしまいます。なので、会場がそれなりに埋まるように、呼ぶ人数を調整しないと行けません。

ただし、ソフィア・堺の場合は、近くに披露宴というか二次会というかを行える場所がありません。というか、館に併設されているレストランを使うのが 一番、移動などの手間を省けるし便利です。他のお店を使うとなると、徒歩で10分以上は歩く事になります。これはさすがにちょっとね。
併設されているレストランの定員は70名程度。ですので、式に呼ぶ人数も70人としました。これならプラネタリウムも4割くらいは埋まりますし、ドームの端っこの、見えにくい場所を封鎖してしまえば、半分以上埋まる感じがして、ちょうど良いはず。
逆にそれ以上呼んでしまうと、プラネタリウムは埋まって良いのですが、式が終わったらそのまま帰っていただく方を作る事になってしまうため、かなり不義理な感じになります。えすので、70名というのはギリギリの人数でもあったわけです。

70人の内訳は、

我々2人+親族11名
大阪市立科学館友の会から15名程度
新郎と新婦の友人知人で40名

としました。そうすると、あとはソフィア・堺のスタッフの方々などもお呼びする事が出来るだろうと考えたわけです。

ポイント3
プラネタリウムの定員はかなり多い場合がある。定員一杯まで呼んでしまうと式だけで披露宴に参加できない人が出るし、披露宴の人数があまりにも少ない会場だと、プラネタリウム内がすかすかになってしまう。バランスが大事!

 

そして内容です。こっちは人数の決定ほど楽ではありませんでした。

あの暗いスペースでいられるのはせいぜい45分。集合写真をどのタイミングで撮影するのか?などをいろいろ考えると、30分程度で終わるのが望ましいでしょう。
実際にチャペルで行う式も、1時間もやることはほとんどなく、せいぜい20~30分だと思いますし。

次に演出です。是非やりたいのは、新郎新婦それぞれが生まれた日の星空を映しだし、どんな星が見えていたのかを解説してもらう事。場合によっては、結婚式当日の星空を出してもらうのも良いでしょう。

我々の場合は、私がその分のシナリオを書きました。一応、元プロですから、星空解説の原稿を書くのはお茶の子さいさいです。
普通のひとは当然書けないと思いますので、その際は館の人とよく相談して投影してもらう日付を決め、どんな星空解説になるかはお任せでも良いでしょう。

それと我々の場合は、良く披露宴なんかでやる、「新郎新婦が生まれてから今までのアルバム」をプラネタリウムのドーム内に映しだしてもらいました。
ソフィア・堺の場合はビデオプロジェクターを使って映しだしてもらいましたが、館によってはスライド投影機のプログラムを書いてもらわなければならないかもしれません。
もしプラネタリウム内でアルバム投影を行いたい場合は、館の人とよく相談しましょう。
ちなみに我々の場合は、プロジェクターのサイズを私がチェックし、その大きさに合うように、私がDVDを作りました。BGMを自分で選曲し、パソコンでビデオ編集を行って、持ち込む形です。
もちろん、それ以外にも、入場や退場の際に流れる曲、星空解説の際に使う曲、誓いの言葉の際に流れる曲などを全て自分たちで選曲して持ち込みました。
ただし、全部二人が所有しているCDで、レンタルで借りたり、ダビングしたりしたCDはないという、ちょっとだけ著作権法にも配慮しました。お金を取るわけではないのですが、微妙と言えば微妙な使用方法ではあるので、なるべく法律違反にならない範囲を模索したわけです。

そうそう、式の流れは下記の通りです。

1.入場(暗い中、スポットライトの明かりだけで入場。星はどうせ見えないので投影せず)
2.新郎新婦が生まれた日の星空解説
3.二人のアルバム(星は投影せず)
4.誓いの言葉
5.指輪の交換
6.退場

星が出ていたのは、結局2.だけでした。もし入場や退場時も星を出したい場合は、足下にあまり強くない光量のライトを置くか、お客さんにペンライト を持ってもらって、それで照らしてもらう程度の灯りで行う必要があります。ま、みんな新郎新婦に注目していますから、星は出てても意味ないですけどね。

この辺も、実は5回くらいソフィア・堺のスタッフの方々とはお打ち合わせをさせていただきました。

ポイント4
結婚式当日の星空や、新郎新婦の生まれた日の星空は是非出してもらいましょう。それ以外の内容や、入退場時に星を出すかなどは、館の人と良く打ち合わせましょう。
ただし、彼らは結婚式のプロではないので、自分の意見やイメージを無理強いして押しつけてはいけません。

 

次回は衣装や披露宴の打ち合わせを報告します。

プラネタリウムで結婚式 Part.1(準備編その1)

これから何度かに分けて、結婚式の準備から式の様子までを連載していきたいと思います。特に今後

「プラネタリウムで式を挙げたい!」

という人たちの参考になるような点を中心に書けたらな、と思います。

 

まず今回、我々はプラネタリウムで式を挙げる事になったのですが、これはウチの相方の意見がかなり大きいです。

もともとは双方の家族だけで挙げたらいいじゃないか、という風に私自身は思っていたのですが、相方は
「自分たちらしい式」
というのにこだわりを持っていました。どこで行うかというのを考える際に、十数年前、私が和歌山県にある「かわべ天文公園」というところの研究員だったときに、

「ここで結婚式をしたいんですけど」

という相談を受け、私が窓口としていろいろ手配して行ったことがあった、というのを話したのがキッカケになりました。

「ウチもプラネタリウムで式をしたい」

相方がこれを言い出し、最後までそこにこだわったからこそ、今回の式は成功したのだと思っています。

正直、プラネタリウムは結婚式場ではありませんので、普通の結婚式場で挙げるような式は出来ません。ですので、どうしてもプラネタリウムで式を挙げ たい場合には、結婚式場で挙げる式のイメージは捨てていただく必要があります。従って、新郎新婦とも、そのことを理解しなければ、途中でめんどくさくなっ たり、イメージが違う!と摩擦が生じますので、そこのイメージをしっかりと共有しておく必要があります。

■ポイント1
プラネタリウムでの式は結婚式場で行う式とは全く違う。ので、「スモーク」とか「シャボン玉」みたいな結婚式場で出来る演出は全て忘れる事!
そしてそのことを二人でしっかりと共有する事!

 

ポイント1をクリアした我々は、次の問題点である
「会場探し」
に着手しました。二人とも大阪市立科学館友の会の会員ですので、出来れば大阪市立科学館のプラネタリウムで出来るのがベスト、と考えました。
そして館に相談を持ちかけましたが、正直、色よい返事をいただけませんでした。理由は単純で、科学館の場合、大阪市の条例や運営している財団法人の定款で、科学普及目的以外の使用に大きな制限がかけられていたからです。

しかし大阪市立科学館がダメでも、関西の場合は幾つかの館が過去に結婚式を行っています。そのことを私は昔取った杵柄と言いましょうか、半分は仕事ですので知っていましたから、その中から選ぶ事にしました。

関西で結婚式をやった事のあるプラネタリウム
◆ラフォーレ琵琶湖
 ここはホテルに併設されたプラネタリウムですので、普通に行う事が出来ます
◆文化パルク城陽
城陽市の複合施設ですが、ここは星空ウェディングのパッケージを持っていますので、比較的敷居が低く、式をお願いしやすいです。ただし、場所がね…
◆東大阪市立児童文化スポーツセンター(ドリーム21)
 ここはどういった経緯だったのかはわかりませんが、昔仕事で行ったときに館の方が「このあいだ結婚式をやってねー」と言っていました。なので、やろうと思えば可能なはず。
◆すばるホール(富田林市)
富田林の複合施設です。ここは天文雑誌に結婚式を挙げた人の記事が載っていた事があります。
◆かわべ天文公園
私の元職場。私がセッティングをしたのですから、やろうと思えば今でも出来るはず。
◆ソフィア・堺
堺市の複合施設。もしかしたら出来るんじゃないかなぁ?と思って知り合いの職員に連絡したら「一度やったことがあります」との返事が。

今回はこの中から、会場までの距離や、同じ施設内で披露宴まで出来そうな所を考えて、ソフィア・堺を選びました。

 

基本的には、複合施設に入っているプラネタリウムが狙い目です。「科学館」と名前が付いていたり、教育委員会が直接所有しているプラネタリウムは、大阪市立科学館のように条例などで使用目的を制限されている可能性が高いので、お願いは出来ないと考えた方が無難でしょう。

またソフィア・堺の場合、ホールも持っていますので、照明器具などもそちらから持ってくる事が出来ます。そういう施設が併設されているところは狙い目かもしれません。

■ポイント2
どのプラネタリウムでも結婚式が出来るわけではない。「科学館」「教育」という言葉が施設名に入っているところはお願いできないと考えた方が良く、相談を持ちかけやすいのは、ホールなどが併設されている複合施設。

 

次回からは、実際に打ち合わせや式を行うに当たっての準備などのお話しをして行きます。

変貌する大学教育の現場 アクティブラーニングの未来

今日は会社を休んで、こういうシンポジウムに行っていました。

「変貌する大学教育の現場 アクティブラーニングの未来」
東京大学 大学総合教育研究センター

プログラムは以下のような内容でした。

13:00 開会の挨拶
13:20 基調講演1「中長期的な大学教育の在り方について -大学教育の質保証」
13:50 基調講演2「未踏の教育への挑戦:新たなliberal arts education」
14:30 「マイクロソフト先進教育環境寄付研究部門の研究成果」
15:10 「MEET the Future Education ~未来の教育に会いましょう」
16:00 パネルディスカッション「高等教育で育成するべき人材像とICTの役割」
17:00 閉会の挨拶
17:30 レセプション+MEET公開デモンストレーション

今回はマイクロソフトの寄付と協力で完成したソフトウェアとそれを使った環境、そしてその成果を報告するものでした。
開発されたのは

MEET eJournal Plus
MEET Video Explorer

などが紹介されました。これらはマイクロソフトのオープンソース・プロジェクト「CodePlex」からダウンロード可能だとのことですので、あと でダウンロードしてみようと思います。特に「eJournal Plus」は仕事でも使えそうな感じです。いろいろと記事などから必要なところを抜き出し、自分の意見を加えてまとめ直す作業などがやりやすいように工夫 されています。ま、まだ完成系には遠いような気もしますが、使えるレベルには達しているかな?と。

むしろ基調講演2の内容と、最後のパネルディスカッションが面白く、また今後の仕事での方向性を考える上でも面白い内容を示唆してくれるモノでしたので、参加して良かったかな?と思います。

詳しい話は、もうちょっと時間をかけて報告しようと思います。

DAICON7レポート第2日

2008/8/24(Sun)

SF大会2日日です。と言っても2日間しかありませんから最終日なんですけどね。
2日目は10時からスタートです。初日よりも1時間早く実家を出て会場へ。

南海難波駅で、大阪市立科学館の長谷川学芸員とばったり。彼は今日のセッションで「学天則」のことを話すためにゲストとして呼ばれていますから、一緒に会場へ。というか、私もそのセッションに出る予定なんだから、一緒に行くのは当然なわけですが。

今日の参加セッションは下記の通り。

メディア・ロボット講座
宇宙作家 A.C.クラークを語る
”ニ”はニセ科学の”ニ”

でした。

メディア・ロボット講座
「ロボット」というものが取り上げられた作品、特に映像作品を中心に「ロボットとはどのように見られていたのか?」という第1部。続いてSF雑誌上で描かれたイラストに登場するロボットの変遷。そして第3部が学天則だったわけです。
「フランケンシュタイン」や「メトリポリス」などの有名どころから、まぁ
「そんな作品があったのか!」
と言いたくなるような作品までが目白押しの第1部。
そして初期は触手的な腕が多かったというSF雑誌上のイラストで描かれたロボット。宇宙人が持ち込んだ単なる機械として描かれていたり、「ロボット三原則」成立後のスタイルの変更など、時代時代によってロボットの扱いが変わってきたことを物語る内容で、これも面白かったですね。
最後は学天則ですが、これはまぁこれまで大阪市立科学館で聞いていた内容と大体同じ。制作者の西村真琴がどういう人物だったのか?学天則のお披露目やその後の公開の様子はどうだったのか?学天則はどのようにして動いていたのか?そして学天則に込められた想い・・・などなど。詳細は科学館のプレスリリースなどでいろいろ紹介されていますから、そちらをご覧ください。

 

宇宙作家 A.C.クラークを語る
2つ目はこれ。まぁ、宇宙作家クラブが主催ですから行かないわけには、ね。
内容は宇宙作家クラブ所属のメンバーが9人ほど壇上に上がり、クラーク作品への自分なりのとらえ方や、クラークの人となり、クラークの残した功績などを語り合っていくという内容でした。あの人数がいれば、適当に振っていくだけでも時間いっぱい使い切っちゃうわけですから、ある意味内容の濃い、良いセッションになったのではないでしょうか?しかし・・・本番の数日前まで言い出しっぺがほったらかしてたとは思えない素晴らしい内容は、さすが普段から物書きをしている方々だなぁ、と思いました。

 

”ニ”はニセ科学の”ニ”
えっとですね、まぁタイトルの通りです。要は疑似科学とか似非科学とか言われているものの内容を吟味して、おかしいだろう?と笑ってしまおうという内容に近いのですが・・・
実はSFもいろいろと今の物理現象を否定するようなモノを設定して物語を書くことがあります。しかしそれは物語を面白くするための仕掛けであって、それを
「本物です」
などと主張したりはしないわけです。でもそのネタの範囲では矛盾がないように、ものすごくきっちり理論を突き詰める。その科学的態度たるや半端じゃありません。こういうのは、というか、こういうのを「疑似科学」と呼ぶべきだろう、という話でした。
それに対して
「水に良い言葉をかけると綺麗に結晶として凍る」
などというのは「ニセ科学」と称するべきだろう、と。水の例で言うと、実際に綺麗な結晶になる再現率が極端に低い。条件が上手くいかなければ決して再現しない。こんなのは科学じゃない。
しかも「綺麗」=「良い」とは限らないのがこの世界。綺麗でも毒を持っている生物はいるわけで、
「綺麗ならOK」
ってのは論理的にもおかしいだろう、と。ついでに言うと学校の道徳の時間でこれが教材として使われている例も多いそうで、そういうのが理科離れとか学習離れを加速してるんだろうなぁ・・・

あと、ちょっとショックだったのは「揺籃の星」「黎明の星」で、ヴェリコフスキーの「衝突する宇宙」をネタにしていたJ.P.ホーガン。あれはネタとして書いてるんだと皆信じていたわけですが、堺三保氏曰く
「残念ながら本気らしい・・・」
とのこと。よくよく考えれば名作と言われる「星を継ぐ者」にはじまる巨人シリーズ4部作や「創世記機械」なども、結構なトンデモ理論が使われているわけで、どうもホントのトンデモさんではないか?という疑惑が。
しかも難儀な話で、トンデモなネタなのに、しかも本人本気らしいのに、面白いんだこれが。困ったモンだ。

 

 

さて、このあと表彰式と閉会式だったわけですが、翌日は東京で仕事があるため早々に退散。18時過ぎに新大阪を出る新幹線で小田原まで・・・だったのですが、大雨で新幹線が動かず。結局、家にたどり着いたのは月曜日の9時。さくっと会社には有給休暇の申請をして、家で寝てましたともさ。
最後の最後でケチが付いたなぁ・・・

DAICON7レポート第1日

2008/8/23(Sat)

SF大会初日です。11時から開会式が始まる予定でしたので、それに合わせて実家から移動します。しかし!仕事の原稿が書き上がらない・・・しかも実家からどうやってもメールが送信できず、結局地下鉄の中から送信するという始末。そして残る絵の貼り込み作業を岸和田に向かう地下鉄御堂筋線と南海電車の中でやっていたところ、なんと途中でバッテリー切れ(泣)。作業が中断してしまいます。そういや家で電波状態の良いところを探して、ACアダプター差さずにうろうろしてたからなぁ・・・

やむを得ず会場最寄りの岸和田駅で降りた後、商店街の中にインターネットカフェがあるのを発見して、急遽飛び込み、電源とネットワークの線を確保して作業を再開。何とか11時頃に無事送信を終えました。

会場に着く頃にはオープニングが始まっており、ちょうど岸和田市長の挨拶が始まったところでした。残念ながらオープニングムービーは見そびれました。どこかで見られるところを探すしかないですな。というか、DVD買おう。

今日の参加セッションは下記の通り。

机上理論学会発表会
サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ
FCS 確率論的時限式世界構築とニイハオ

でした。

残念ながら梶尾真治の「小さなお茶会」には定員オーバーで参加できず。

机上理論学会発表会
まぁ去年も参加したわけですから2年連続です。内容はと言うと、いろんな事を題材に徹底的なこじつけ解釈を行って笑いましょうというもの。だから「机上理論」なわけです。
今年のネタで面白かったのは
「浜辺の歌」
の幻の3番、4番をネタに、実はこれが抜け忍と里から放たれた追っ手の壮絶な戦いを描いたものだった!という話ですかね(笑)。気になった方は是非彼らのネタを見てみてくださいな。

机上理論学会Webサイト

 

サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ
続いて訪れたのがこれ。「小さなお茶会」には参加できなかったので、こちらへ回りました。
昨年の「NIPPON2007」で行われた企画が元になって出版された同名タイトルの書籍をネタにした企画です。
本はロボット、脳、言語、意識などをテーマにした科学者8人とSF作家の対談集と言って良いでしょう。
川人氏と岡ノ屋氏の研究に関しては以前に別のシン ポジウムで聴いたことがありましたので、この企画の終了後に購入した本は、その他の6人の発表を興味深く読ませていただきました。特にパラサイト・ヒューマン・システムはなかなか面白い研 究ですね。
科学はSFを越えられるのか?科学はSFにどれだけのインスピレーションを与えられるのか?
逆にSFはどこまで科学のパラダイムシフトに貢献できるのか?SFは科学を啓蒙する切り札になるのか?
そんな熱気がひしひしと伝わってきます。うん、私もなんか書こう、久しぶりに。少なくともそう思えるパワーのある本ですね。

企画はその辺を中心に、iPS細胞の研究者も前に呼び出されての分子生物学に近い話が多かったかな?物理屋さんにはちとしんどい内容でしたが、それでも面白かった。


FCS 確率論的時限式世界構築とニイハオ
私も所属するCONTACT Japanの企画です。しかも企画時間2コマをぶち抜きという、すごい状態の内容。
今回はコンタクトに使用できる語彙が限られているという前提で、どうやれば限られた語彙で相手と誤解の無いように意思疎通が出来るか?というもの。やっぱりなぁ・・・ボキャブラリーが足りなかったり、相手との共有項目が少なかったりすると、うかつな事をメッセージで送るととんでもない誤解を生む。どうもそれを狙っていたみたいですが、よく考えられてるなぁ・・・
今回は引っ越しというか転勤騒ぎでそれどころじゃなかったから事前打ち合わせには参加できなかったんですよね・・・

 

さて、2日目は次回。宇宙作家クラブのネタも何本かあるのですが、別で回らないといけないセッションもあるし・・・ということで、いろいろ悩みつつ参加セッションを決めたのでした。

DAICON7レポート第0日

当たり前の話ですが、1年ぶりのSF大会です。今年は「第47回 日本SF大会 DAICON7」ということになりました。お久しぶりの方々も多くいますし、宇宙作家クラブのメンバーやCONTACT Japanメンバーも含め、ちょくちょくお会いする方々も。

さて、そんなわけでDAICON7の参加レポートを書いてみたいと思います。

 

2008/8/22(Fri)

SF大会に先立つオプショナルツアーが行われました。今回のツアーは「大阪の陸、水、宇宙、地下を網羅する」みたいな感じのツアーでした。スケジュールは以下のような感じです。

13時  シティプラザ大阪集合
13時半 水陸両用バス「チャレンジャー号」で大阪遊覧の旅へ
15時頃 大阪市立科学館着。自由行動
17時  全天動画上映会
18時半 「堀晃と行く梅田地下オデッセイ」 スタート
19時半 懇親会

まずは堺筋本町駅から少し歩いたところにある「シティプラザ大阪」へ。ここに13時までにたどり着くため、7時前に本厚木の家を出発。小田急で小田原に向かい、そこから8時9分初の新幹線「ひかり」で新大阪まで向かいます。新幹線の中では相変わらず仕事をやっていたわけですが。

さて新大阪に到着しますと、先月と異なりかなり涼しくなっています。あとで訊いてみると盆明けからは涼しくなっていたのだとか。これはありがたいと、大阪駅付近で買い物をしたあと、徒歩で大阪市立科学館に向かいます。夕方には再度やってくるわけで、私の名前でいろいろと申し込んでいる兼ね合いもありますから挨拶しておく必要があるだろうと。

その後、一旦大阪事務所に立ち寄って必要なデータを引き渡したあと、徒歩でシティプラザ大阪を目指します。

 

ここで堀晃氏とばったり。ちょっと話をしたあと中に入り、受付を済ませます。スタートは13時半という事でしたので少し待ち、やってきた水陸両用バスとやらを皆で撮影しまくり、と。

 

基本はトラックだそうで、それを水陸両用に改造したのだそうです。名前は「チャレンジャー号」。たぶん私だけではなく、ツアー参加者全員の頭の中をイヤな予感がよぎったことでしょう。何故って?そりゃ、1986年に打ち上げ直後に爆発したスペースシャトルが「チャレンジャー号」だからですよ。うーん、脱出方法だけはちゃんと確保しないと、とか(苦笑)。

35名の参加者を乗せ、シティプラザ大阪を出発した「チャレンジャー号」は大阪城の周りを回りながら、大川に面する毛馬桜之宮公園へ。私が毎年、桜の花見に行くところです。その途中、大阪城が建物の間からチラチラと見えます。

「チラ見がいいんです」

とは、バスガイドさんの弁。何度か大阪城をチラ見していたら、そのうち

「次はサービスです」

とのこと。ふーん、まぁ何回もチラ見たからなぁと思っていたら、その場所にはガソリンスタンドがあり、「サービス」という看板の向こうに大阪城がっ!ちょっとヤラレタ感が漂い、車内でもウケていました。

さて、毛馬桜之宮公園に到着した「チャレンジャー号」は、その一角から大川へざぶん!

 

約30分ほどのクルーズを行います。

 

再度陸に戻り、そこで小休止。皆して運転手さん達を取り巻いて質問攻めにします。

「エンジンは水上、陸上で共用なのか?」

「船体はどのようになっているのか?水上ではタイヤは云々・・・」

などなど。写真を撮る場所ももう普通の観光客と明らかに違います。やたらめったら車体構造を撮りまくりです。

 

まぁ、私もあんまり他人のことは言えないわけですけどね。スクリューとか撮ってるし、運転席も何枚も撮ったし。

 

再び走り出し、15時過ぎには「大阪市立科学館」へ。

 

ここで、閉館までの間は自由行動となります。メインは閉館後ですから。何人かはプラネタリウムを見に行きます。その他のメンバーは展示場をふらつき、1階の古い工業製品を展示しているコーナーで

「きっとみんな、ここに来ると『これ持ってる』とか『なつかしー』とか言って、動かなくなるんでしょうねぇ」

と何人かで喋っていました。すみません、私も動かなかった一人です(苦笑)。

 

閉館後は再度プラネタリウムドームに移動し、バーチャリウムIIのデモ映像などを見たあと、「かぐやの打ち上げ動画」を笹本祐一氏の解説と共に見ます。その後、氏が田代試験場で撮影してきたH2B用のLE-7Aを2機束ねた燃焼実験動画の上映、そしてこのあとに続く堀晃氏による梅田地下街の話などがありました。

 

そして「堀晃と行く『梅田地下オデッセイ』」。私を含めた数人は不参加でしたが(私は仕事をしていた)、ほとんどの人が参加。最後にお待ちかねの懇親会へとなだれ込みました。

 

いやいや、楽しい一日でしたが、翌日に控えたシノプシスと簡易シナリオのアップは出来るのか?そしてメールマガジンは無事に出せるのか?などなどの不安も同居した状態で翌日、第1日目へと続くのでした。

辞書を作ろう

1.はじめに
 この分科会は、いつも「百科事典を送る」とか「セサミストリートを送る」などでお茶を濁し、「これで相手と意思疎通が出来るようになりました」と言って いた意思疎通や翻訳関係が、そんなに簡単ではないのではないか?というところが出発点となった分科会である。従って、辞書のあるべき姿を追求するべく開催 されることになった(と理解している)。
以下に議論の流れを見ていこうと思う。

2.人類の言語学は役に立つのか?
 まず最初に議論となったのは「人間の言語を扱う言語学は役に立つのか?」である。
当然、相手との意志の疎通を考えるわけだから「翻訳」という二文字が頭の中にあったのは否めない。ところが、これは中間言語方式だのトランスファー方式だ のという方法論を調べておいたものの、お互いの交流が相当進んでいないと役に立たない。むしろプレコンタクトが終わり、交流が軌道に乗ってからの話になる のではないか、相手とまず交渉するに当たっては、そんなに豊富な語彙を得ることは出来ないだろうと思われ、あえなく頓挫した。
続いて出てきたのは文化人類学で行われる「基本的な共通語彙を収集する」というものだが、これも習慣や文化が違うといったレベルではなく、そもそも惑星 環境や体の構造が違う者同士では、地球上で規定されている「共通語彙」というものは何の役にも立たない事が明らかになった。つまり今現在地球上で行われて いる言語学の大系は、コンタクトを行う上ではほとんど役に立たない、ということがいきなり判明し、分科会はいきなり持ってきていた資料が役に立たない、と いう結論に達した。ここまでは10分程度。

3.プレコンタクト用辞書の構築(数学・物理学編)
 そこで切り口を変え、いつも苦労しているプレコンタクト段階で「相手に自分の意志を伝えるのに必要な概念」を抽出し、「それらを伝える手段」を考えるという内容にシフトした。
まず最初に伝えたい概念と伝えるのに使えるモノとを整理した。まずは伝わりそうなモノを以下にまとめる。

・名詞(モノとして示すことが出来る物)?
・数学
・物理量
・幾何
・肯定否定(好き嫌い)

ただし上記のものも、名詞はわかるかも知れないが、それがどれほどの役に立つのかはわからないという話になった。
「そうか、相手の惑星にはこんなものがあるのか」
程度にしか役に立たないからだ。

さて、続いて伝えたい概念を抽出するために、CJ4の時の地球人側メッセージを基に相手に伝えたい例文を考えた。なるべく簡単な物で、かつCJ4の時 に、何が何でもアヒストに伝えたかった文言をいくつか挙げてもらった。これは地球人側、アヒスト側の両方の切実だったメッセージを選んだつもりである。

1)木星軌道より内側には来ないで!(地球人側)
2)地球へ行っても良い?(アヒスト側)
3)あなたの星で一緒に住みたい(アヒスト側)

1)には位置、領域の概念、移動の概念(時間や因果関係)、否定の概念に意図(希望)、そして主客の概念が含まれていることがわかる。2)も同様に位置、 領域の概念、移動の概念(時間や因果関係)、疑問と意図、そして主客がある。3)もほぼ同様だ。つまりまとめてみると以下のようになる。

①位置・領域
②移動の概念 → 時間(因果関係)
③否定 → 答えを求めている場合あり(5W1H)
④意図(希望)
⑤主客

以上5つの概念を伝え、お互いに共通に使用することが出来れば、プレコンタクト段階での意思疎通はかなり楽になるはず、という話になったわけだ。
①、②は物理や数学の範囲で何とか片づくんじゃないか、という話でほぼ片づいた。③はただ単に肯定否定だけであれば数学の範囲だが、結局5W1Hをある 程度使えるようにする必要があるのでは?ということになった。疑問文が使えるのとそうでないのとでは、会話における幅が違ってくるからだ。とは言え、基本 的には数学・物理を中心とした方法論で何とか片が付きそうな感じである。
⑤はそれこそ自分の姿と相手の姿を使用すれば伝わりそうなものである。

4.プレコンタクト用辞書の構築(快・不快編)
 ということで、問題は④である。特に「希望する」という内容をどう伝えるのか?が争点になった。これはなかなか難しいが、方法としては「快・不快」を伝えることが出来れば良いのではないか、という意見が出た。
例えば例文の1)だと
「木星の公転軌道よりも恒星に近い領域にあなた(がた)が入ってくるのは、我々にとって不快である」
と要素に分解して記述できる。これならば「来て欲しくない」という意図が伝わるのではないか?と考えたわけである。
この調子で行くと例文の2)は
「我々が地球に行くと、あなた方は不快? YES or NO」
3)は
「我々が地球にいるのは、我々にとって快である」
などになる。

上記のように切り分ければ、①~⑤を伝える手段さえ確保し、記号による体系化を行うことによって、お互いが相手の意図を理解出来る程度まではなるのではないかと考えられるわけだ。
ちなみにちょっと話はそれるが、一つの言葉には一つだけの意味・概念のみを持たせる必要がある。これはAC1でも議論になったとおりで、一つの言葉・単語 に複数の意味を持たせるのは、人間はそのような使い方をしていてもシチュエーションによって意味を取り分けるが、異星人相手には不可能だからだ。

さて本論に戻るが、となると、あとは「快・不快」をどのようにして伝えるのか、というところに問題が集中した。これは単純に「YES・NO」ではないた め、切り分ける必要がある。また数学的手法を用いる事は出来そうにない。そこで鳥が縄張りを主張するために高い声で啼いたり、何度も短い音を発して警告し たりするという手法はどうかという提案がなされたりした。しかしこれもどういう受け取り方をされるのかがわからないため、もう少し生命にとって基本的な要 素で行う必要があるだろうということになり、以下のようなものが提案された。

・エネルギーがない、子孫が残せない、住めない環境などは「嫌」「不快」
・エネルギーがある、子孫が残せる、住める環境などは「好」「快」
・また環境の変化は「不快」など
・これらを大量に送ることにより、「好・快」「嫌・不快」の別を伝える

数を多く送るのは、相手の推理力・洞察力、要するに推論する力に期待するためである。つまり文明を築くぐらいなら、こういった能力を持ち合わせているだ ろう、ということである。ただし、「事例から一般性を見いだすような知性は一般的なのか?」という意見もあった。もしこういった能力を持たない、いわば職 人集団のような文明の場合はいくら送っても無駄かも知れないではないか、ということなのだが、それはそれで「わかった、皆まで言うな!」と理解してくれる かも知れない、という話にはなった。

5.その他
 その他議論の出たところをまとめてみると「肯定否定」の話のところで
「真偽と肯定否定は同一ではないのでは?」
という意見が出た。つまり「YES・NO」と「TRUE・FALSE」は別の概念だから、切り分ける必要があるのでは?ということだ。数学では「YES・ NO」が送れるのではなく、あくまでも数式として送ることが出来る概念は「TRUE・FALSE」であるため、その辺の詳細な詰めが今後必要になると考え られる。

また「文の構造をツリー化する」とか「文の数を絞る」なども意見として出ていた。いずれにせよ、こういったものは数学的・物理的な概念にせよ、先ほどの 「快・不快」の様な概念にせよ、何らかの通信フォーマットを構築したならば、あとはその共通基盤を使って例文をがんがん送るしかない、という流れで分科会 は終了した。

最後に参加者から出た感想を一つ。
「コンタクトって恋愛ドラマみたいなもんだな。『行ってもいい?』『来ちゃダメ!』『あなたと一緒になりたいの』ってね。」
なんともはや・・・。

10光年先を見るために

1.はじめに
 この分科会の目的は、いつも「まぁこれくらいなら見えるんじゃないの?」と適当に流してきた観測をより厳密に、「どれくらいのスペックの機器があればど のくらいまで観測が可能なのか?」を検証することである。そのため、典型的なコンタクトの例として10光年先の様々なものがどれくらい見えるのかを設定し た。これより遠いところもこれを基準にすれば、原理的にどれくらい観測可能かは計算が可能となる。
分科会は以下のように、まず課題を設定し、それを波長ごとに分類し、ほぼ同じ機材を使用できるものにグループ分けして検討を行っていくという方式を取った。ここではグループを「可視光線・赤外線」「電波」「X線・γ線」にの3グループに分類した。

2.課題設定
 まず最初に課題設定を行った。以下に出てきた観測したい項目を波長ごとに分けて列挙する。

1)惑星の有無は確認できるか?
2)大気や水の有無は確認できるか?
3)地球型惑星の表面の様子はわかるか?
4)建造物など都市の様子などを確認できるか?
5)異星人の顔は確認できるか?

6)電波放送は受信できるか?
7)核実験は検出できるか?
8)宇宙船の核パルスは検出できるか?

1)~5)は明らかに可視光線または赤外線領域の話だ。6)は電波の話だし、7)、8)はX線・γ線である。では3~5章にかけて、実際に考察を行っていく。

3.可視光線・赤外線
 まず基本として、1)の「惑星を見るためには」を考える。大きさは地球程度だと考えると、大体1万km程度のもの、ということになる。詳しい計算は7章 の「補足」に譲るとして、結果としては1光年先だと見かけの大きさは0.2ミリ秒角(mas:mili arc second)ということになる。つまり10光年先だと0.02mas。計算を簡単にするために0.01masとしよう。
今、すばる望遠鏡(口径8m、簡単のために10mとする)の分解能が10mas程度の分解能であり、分解能は単純に口径に反比例するので、3桁分解能を上 げるには3桁口径を大きくすれば良い。となると10km。ただしこれだと惑星が点として写るだけなので、せめてWindowsデスクトップ程度に写るよう な解像度(XGAくらい)が欲しいとなると、さらに3桁上げて1万km。地球サイズの鏡があれば何とか。ちょうど10kmの大きさの物が点として写る程度 だ。
しかしこれだけのサイズの物を向けたい方向に動かすのはかなり難しい。そこで干渉計を考えることにする。光・赤外干渉計だ。これならば惑星の光を捉えることが出来る口径の望遠鏡を必要なだけ離してやればOKだ。
ではどれくらいの口径が必要かというと、1光年先から地球を見ると、その明るさは1mJy。10光年先だと明るさは100分の1で0.01mJy。すばる望遠鏡ならば十分捉えることが可能だ(図1)。
これで惑星の写真を撮影するための大体のスペックが決まった。口径10mの望遠鏡を複数台、地球と静止衛星軌道あたりに置く。もしくはもうちょっと小さな惑星でも検出・観測できるように、地球-月系の干渉計を構築すればよい。
観測手順としては、まず相手恒星系の恒星が邪魔になるので、コロナグラフという特殊な加工を施した望遠鏡でもって、少し倍率を落として、惑星の位置を検出する。その後、干渉計でイメージを作るのだ。

ではこれを基本として2章で列挙した2)~5)を検討してみよう。
2)はスペクトルの話なのでここでは一旦置いておく。すると検討にのぼるのは3)~5)だが、スケールとしては以下の様になる。
3)サイズ1~10km程度 → 分解能10μas~1μas
4)サイズ10~100m程度 → 分解能0.1μas~0.01μas(100nas~10nas)
5)サイズ1~10cm程度 → 分解能0.1nas~0.01nas

上記のスケールを点ではなく、撮影できる程度の分解能で達成するには、3)は1)よりも3~4桁干渉計の基線長を長く取る必要があるので、1千万~1億 km離した干渉計が必要となる。まぁ、1AUも離せば良いのだから、地球近傍と太陽-地球系のラグランジュ点(三角形解)あたりに設置すればOKである。
4)はさらにそれよりも2~3桁上なので、100億~1千億km。AUで言うと約60~600AU。すでに現実的な数字では無くなってきた。冥王星軌道の両端に望遠鏡を設置して干渉計にする必要があるが、これは同期を取ることが出来ないのでは?
5)はさらに2~3桁上がるので6万~60万AU。光年で言うと1~10光年。相手の星系まで探査機を飛ばした方が手っ取り早い。

というわけで、現実的には10光年先の「惑星表面の都市の様子が観測できる」くらいまでが現実的な値と言えよう。

ではスペクトル観測をする必要のある2)であるが、これは惑星が十分な明るさで観測できれば問題ないので、1)を満たすことが出来ればほぼ大丈夫という 判断をしてよい。ただしぎりぎり写るという程度では分光できないので、ある程度は余力を持たせる必要がある。明るさは口径だけに拠るので、10m程度の口 径があればぎりぎり。余力を持たせるためには数等級暗いところまで検出できる必要があるとすると3倍程度、つまり30m程度の口径があれば十分であろう。

4.電波
 例えば10光年先から現在の地球から出て行く電波を捉えることが出来るかどうかを考える。そこでまずは現在の電波望遠鏡の感度を基にして、10光年先での放送される出力の下限値を算出した。
さて、現在の電波望遠鏡の感度は大体0.1mJy(ミリ・ジャンスキー)という値である(図1参照)。Jyという単位はあまりなじみのないものであると 思われるが、これはSI単位系では1E-26W/m^2/Hzとなる。従って0.1mJyは1E-30W/m^2/Hzとなる。
ここから放送出力を算出する。10光年という距離は約1E+17mだから、これを掛け合わせると最低限の放送出力は1E+4W/Hzとなる。周波数あた りの強度が10KWということだが、通常はもっと大きな出力で放送しているため、十分検出(視聴)可能だといえる。逆に言うとこれよりも出力の弱い、例え ばアマチュア無線や地域FMなどを受信するのは不可能と考えて良い。

また分科会内では議論がなかったが、分解能に関しては可視光線の1)と同等の分解能を現在のVLBIで達成していることから、地球型惑星の表面で強力な電波を発している箇所を特定できる程度の能力は十分あると考えられる。従って7)はクリア可能だろう。

5.X線・γ線
 これはかなり難しいのだが、2つの事柄に分けて考えよう。1つは分解能、そしてもう一つは感度である。
まず分解能だが、X線はともかく、現在のところγ線に分解能を求めるのはかなり難しい。というのも、現在のγ線観測は基本的に空気シャワー現象に伴う チェレンコフ光を観測している。そのためγ線のやって来た方向はそれなりの精度で特定できるが、ある程度以上の範囲まで絞ると、それ以上は誤差の範囲内に なってしまい、放射源の位置を特定するのは不可能と言って良い。実際、γ線バーストなどの観測も発生後すぐに光学望遠鏡がフォローアップ観測を行い、発生 源を特定している。
X線の方は数年前に国立天文台で開催された「大風呂敷研究会」で発表された物の中に1masの分解能を達成するという構想があることから、20年くらい のスパンで、このレベルが達成される可能性がある。つまり、現在のすばる望遠鏡クラスの分解能は達成されると考えて良い。ただし、干渉計に関しては同期を 取るのがほとんど絶望的なので、これ以上あげるのは無理かと考える。

続いて感度だが、あるエネルギー幅の中に入る光子の数が1秒、1平方cmあたり1E-5個くらいまでは誤差が少なく測ることが出来ると言って良いと思わ れる。もちろん観測時間(積分時間という)を延ばせば、もっと暗い天体でも写るのだが、誤差を考えるとあまりお奨めは出来ない(図2)。

さて、ではこのスペックで10光年先の何が見えるのかという話だ。つまり8)と9)を考えるわけだ。まずTNT換算で1メガトンクラスの核爆弾が発する エネルギー量は約1E+16ジュール。電子ボルトに換算するとざっと6E+34電子ボルト。これが全て1キロ電子ボルトのフォトンに変わったとすると、 6E+31個のフォトンに変わる。ちなみに1キロ電子ボルトという値を採用したのは、その辺のエネルギーレンジがもっとも感度よく検出できるからだ。とい うわけで、これが地球近傍にたどり着いたときにどの程度のフォトン数になるかというと、1平方cmあたり6E-6個。ぎりぎり見えそうな気もするが、これ では検出は無理である。誤差とかノイズに埋もれてしまっているために8)は完全に玉砕である。つまりその程度のものは見えないのだ。逆に見えるとすると、 上記の仮定の下でもTNT換算でせめて10~100メガトン。もちろんニュートリノに持って行かれる分や、その他の波長に食われる分を考えるとさらに 2~3桁くらい上でないと検出は出来ないことになる。そう言う意味では9)も不可能だろう。
すると、1メガトンクラスの核爆弾が1光年先で爆発しても、X線では見えない・・・可視光線でも・・・かもしれない。

6.最後に
 いろんな人から感想をいただいたが、「意外と見える」「意外と見えない」という意見が全てを物語っていると言える。これは参加した各人が「どの辺までは 見えるだろう」と漠然と抱いていたイメージにかなりのばらつきがあったことを物語っていると言える。ただ言えることは、どちらかというと「意外と見えな い」と思う人が多かったことだ。私自身も今回の分科会に先立ってかなり綿密に資料を集めた上、計算も行っていたが、思ったよりも見るのは大変そうだと思っ たのだ。
例えば可視光線・赤外線では、「そう苦労しなくても冥王星レベルは見えるだろう」とか「小惑星の大きいヤツは見えるだろう」と思っていたが、結構技術的 に高いものを求められると感じた。実はこの原稿を書いている最中に気がついたのだが、地球と土星の見かけの明るさがほぼ同じ、天王星、海王星あたりはすば る望遠鏡では検出不可能だということがわかった。何と恒星から離れすぎた惑星は、例えそれが巨大惑星であっても内惑星よりも暗くなってしまうのだ。そうい う意味では望遠鏡は大きいに越したことはないのだろう。

7.補足資料
 以下に、計算を簡単にするための、いくつかの数値を挙げておく。

1)大きさ&角度
・ラジアンから秒角への変換 ×2.0E+5
・1光年=約1.0E+13km=1.0E+16m=1.0E+18cm
・地球型惑星の直径=約1.0E+4km=1.0E+9cm
・地球型惑星の見かけの大きさ(1光年先)=1.0E-9ラジアン=2.0E-4as=0.2mas
・上記をXGAで見たければ・・・
10m鏡で10mas程度の分解能なのだから、1.0E+3倍
1000*1000Pixcelくらいで見たければ、1.0E+3倍
6桁上げればよい ・・・ 1万km

2)明るさ
・地球型惑星の明るさ = 1.0E-8erg/cm^2/s/sr/Hz
・地球を1光年先から観測すると
単位面積あたりの明るさ×面積/距離の2乗なので
(1.0E-8)×1.0E+18/1.0E+36 = 1.0E-26 = 1mJy
・上記を可視光線での等級で言うと約28等

3)その他
波長換算表
1eV =1.2398E-6m =2.4180E+14Hz
輻射強度
1eV = 1.6022E-12erg
1Crab = 2E-8erg/s/cm^2(かに星雲の明るさ)
1eV/s/cm^2/eV = 0.6626E-26erg/s/cm^2/Hz
Jy = 1.0000E-23erg/s/cm^2/Hz

アベノ橋魔法☆商店街のモデルとなった地域取材記

1.はじめに
 「アベノ橋魔法☆商店街」というガイナックス製 アニメの舞台となった天王寺・阿倍野界隈を久しぶりにフラフラすることにした。DVDを買ってしまった上、大学・大学院時代にはJRで一駅隣の寺田町が最 寄りの大阪教育大学天王寺学舎に通っていたため、この辺はよく買い物をしたり晩ご飯を食べに来たりした場所である。アニメでも語られている通り、再開発も かなり進みつつあることであるし、折角だから安倍晴明神社の取材も兼ねて、アニメに出てきた風景を撮影して回ろうと思いついた。

2.天王寺~東天下茶屋
8月17日 晴れ

 久しぶりにやって来た天王寺。家から地下鉄を乗り継ぎ天王寺までやって来た。今日の取材予定はまず安倍清明神社を回って、その後阿倍野・阿倍野筋商店街、そして「あべの銀座」へ。
「いやぁ、あっついなぁ大阪は」という鶴田謙二版のあるみちゃんがつぶやいていた様な日でありましたが、まずは阪堺電車で安倍清明神社の最寄り駅である 東天下茶屋へ。駅を降りて「この辺やったかなぁ」などと思いながら歩いていると、まず見つかったのが「阿倍王子神社」。ここの飛び地みたいな感じで「安倍 清明神社」はあるらしいので、まずはこの阿倍王子神社で参拝をした後に、目的の安倍清明神社へ。ちなみにこの阿倍王子神社にはとっても大きいクスノキがあ り、これがあのクスノキになったのでしょうか。

  そしていざ、安倍晴明神社。おお!これが、かの物語の舞台になった神社か・・・って小さいなぁ・・・とてもラジオ体操が出来るような広さはない。どちらか というと阿倍王子神社の方がそれらしい感じだったので、きっとその辺を混ぜて作品にしたのでしょう。でもさすがにお稲荷さんもありましたし、やはりここで も「ご縁がありますように」とお祈りしてきました。

3.阿倍野~再開発地域
  再び阪堺電車に乗って、今度は天王寺までは行かず、その一つ手前の阿倍野駅で降りる。ちょうど阿倍野ベルタの正面にあるんですよ、この駅。しかも!1話で 雅ジイが入院した後に出てくるシーンの元ネタ場所がありました。そう、この「サンタの作りたて工房」は、ちんちん電車が通り過ぎたときに見える「マンタの 作りたて工房」と全く同じシーンではありませんか!「そうかぁ、ここが元になっているのか」と、妙にマニアックな感心をしておりました。ちなみに、このあ と「折角だから」と阿倍野ベルタにあるはずのアニメイトに寄ろうとしましたが、場所がわからず断念。リベンジしに行かなくては・・・。

  そしていざ、「あべの銀座」から再開発地域へ。大和銀行の手前にあるのが「あべの銀座」の入り口なんですよ。いやぁ、久しぶりに行きましたが、だんだんお 店の数が減ってきているような・・・いや、もともとお店の数自体もそんなに多くない商店街なのですが、昔からあったアポロの横にもルシアスとかいう新し い、少なくとも学生時代を思い出したときには記憶にない建物も出来ていて、ずいぶんと変わってきている様子。「う~ん、再開発もここまで・・・」と思った 一幕でありました。

  そしてさらに裏の方にまわると、ありましたよ。「大阪市管理地」の看板。あの「亀の湯」の跡地に張られたフェンスにも張ってありましたよね。あの看板です よ。残念ながら「亀の湯」の元になったであろう銭湯は今回発見できませんでしたが、本当にあるんだなぁ、あの看板。しかもクレーンが持ち込まれている一角 もあり、「本当に再開発をやっているんだなぁ」と実感させられるところもありました。もう一回あの辺を回って、レポートしてみたいものです。


4.グリル・ペリカン?!

  その後、見つけてしまいました!そう、あるみちゃんの家「フランス一品料理グリル・ペリカン」の元になった場所!その名も「フランス一品料理グリル・マル ヨシ」!「『フランス一品料理』って、そんな店あるんかいな」って思っていましたが、本当にあるんですねぇ。しかも!この路地の形は、あるみちゃんとサッ シが走っていた、そして雅ジイが落下してきたあの形にそっくり!看板もペリカンの看板そっくり。しかもしかも、この「マルヨシ」の入り口は「ペリカン」と 同じような扉で、カーテンも同じ。ついでに言うと、「エスカルゴが3個で900円」というところまで一緒!

  うぉぉぉぉ!間違いなくここがモデルだ!しかもショックなことに、この奥には大衆中華料理チェーン店である「眠眠」があり、私は大学・大学院時代にこの道 を通って晩ご飯を食べに行っていたのである。しかも一回や二回ではない。なんで番組を見たときに思い出さなかったんだろう・・・?不思議である。シェフの おっちゃんに訊いたら昭和21年からやっているそうな。
ちなみに今日のお昼ご飯は当然「マルヨシ」でとった。ランチメニューがあり、1200円で食べることが出来る。内容はメニューに「洋風料理」と書かれて おり、「フランス料理」というよりは洋食屋さんメニューであったが。よし、次はあのメニューに書いてあったフランス料理を食べに行くぞ!というわけで、ツ アー参加者募集中!

2020/07/11追記

 

 

リクエストを受けまして、追記します。「グリル・マルヨシ」の場所ですが、すでに再開発により失われております。現在はあべのキューズタウンが建っています。赤い★マークを付けたあたりにありました。

5.次回に続く
 というわけで、「アベノ橋魔法☆商店街」の舞台となった地域を歩いて回った訳だが、まだまだ未発見のものがあると思われる。そこで、本来なら今日一日で終 わらせるつもりであったこのツアーをもう一回、今度は「あべの銀座」から新今宮駅の方まで拡張して行おうと思う。当然、あの「グリル・マルヨシ」でご飯 を、しかも今度はフランス料理を食べるのも目的としてだ。一人で行っても面白くないので、出来れば参加者募集!あ、ちなみに一人で行ってみたい人のために 「グリル・マルヨシ」の場所を示しておく。この大和銀行裏に小さな路地があり、そこを入ったところなので、もし行ってみたい人は是非どうぞ。ついでにここ に紹介しなかった写真を下の「写真集」をクリックすれば見ることが出来ますので、よろしければそちらもどうぞ。
では、第二回に乞うご期待!

北野異人館取材記

1.はじめに
 神戸の北野異人館である。大阪に住んでいるのだから神戸の異人館などいつでも行けるし、レポートを書くほどでもなかろう、と思われるだろうが、書いてしまったのだから仕方がない。しばらくおつきあいを願いたい。

2.出撃
8月4日 晴れ

神戸・三宮方面に取材に出かける。昨日急に思い立ったものだが、別に思い立ったから行くのではなく、プラネタリウムのシナリオを書いていたときに、異人 館の雰囲気がどうしても思い出せなくて困ったから、もう一度確認するのと同時に写真を撮影しておこうと思ったからである。
また以前からテレビで見て気になっていた、異人館通りあたりにある中華のお店に行ってみたいという希望もあったのは言うまでもない。しかし一人で異人館かよ・・・。さみしいものがあるな。
家を出たのはすでに11時半。もっと早く外出するつもりだったのだが、ついホームページの更新をしていて遅くなってしまった。まぁ、気になるところを次 々と見つけてしまったのだから仕方がない。それにしてもこのレポートがあがると、ますます「SF」からは遠ざかるなぁ・・・何か「SF」っぽくするコンテ ンツを開発せねば。
ついつい愚痴モードに入ってしまうが、折角晴れているし、それほど湿度も高くないので過ごしやすい日だし、たまにしか出かけないわけだから、楽しくやろう。

で、家の近所にある阪神電車野田駅から西宮行き急行に乗る。三宮まで直通では行けないらしい。まぁ、急ぎでもないし、のんびりと行けばよいだろう、と思 い途中で乗り換えることにする。海方向を見て、つまり陽が当たらないように北側の座席に座っているのだが、目の前に阪神高速の高架が見える。あ、そろそろ 甲子園か。道理で。そういや甲子園パークも閉園したんだっけ?すでに「住宅展示場」の看板が見える。さみしいものだ。
などと書いているうちに西宮到着。ここでいったん電車を降り、須磨浦公園行きの特急に乗り換える。現在12時5分。この調子で行けば12時20分頃には 三宮に到着できるかな?するとまず中華屋さんを捜していきなりお昼ご飯コースか。まぁそんなもんだろう。取材は13時頃からスタートすれば、18時までは 5時間も使える。いや、実際にはそんなに足がもたないだろうから、16時くらいには切り上げるとは思うが。すると図書館に本を借りに行くことが出来るか も。おお、なんて取材活動な一日だろうか。ライターの鏡ですな。プロじゃないけど。いや、お金もらってるからプロか。

車内の様子も、昔を思い出してみるとずいぶんと変わったものだと思う。新聞を読む人は当然いた。音楽を聴きながら本を読む人も、私が作品を書き始めた頃 にはいたが、ずっと携帯電話でメールを書いている女性とか、ましてや私のように小型端末で文章を書いている人などは考えられなかった。当時のワープロは ラップトップになった頃だったしね。あれから考えると15年。本当に世の中変わったものだと思う。15年でこの有様なのだから、100年後の未来を予想し ようなんて、鬼が笑うどころか滑稽でしかないのかもしれない。でもSF作家はいろいろと未来を考えるし、将来を予想したがるものだ。ジュブナイルやライト ノベル系は別として。そうだそうだ、折角だから、うちのホームページには「こんなのは開発できないだろう!」と大見得を切って言える変なものを準備しよ う。あの「重力ソフトレンズ」みたいに。あれなんかはっきり言って、私が考えた中で無用の長物第1号になるものだろうなぁ、という変な自信を持っている ぞ。

と、三宮到着。時刻は予想通り12時20分ちょっと前。さぁ、いざ北野異人館方面へ。まずは昼飯だ!

3.異人館めぐり
 などと書いていたにもかかわらず、北野坂への入り口のところで1300円の「パスポート」なるものを購入してしまい、しかも中華屋さんが見つからなかっ たため、そのまま先に取材をすることに。まず目指したのは「香りのオランダ館」「デンマーク館」「オーストリアの家」。「香りのオランダ館」は旧オランダ 総領事邸らしい。ライプライターだのオルゴールだののアイテムの写真を撮る。中は香水の香りで良い感じなのだが、何しろ目的が目的なので香りなんぞそっち のけで、ひたすら雰囲気がわかる写真と珍しいアイテムを撮影することしかしない。楽しみ方としてはちょっと違う気もするが、まぁ取材なのでよいだろう。
続いての2館はテーマ館。まぁ、半分はどうでもいい感じだった。一応デンマーク館の方で、昔の傘やステッキ、ヴァイキング時代の男性・女性の衣装を撮影できたので良しとしよう。オーストリアの家でも貴族の衣装を撮影できたので、これもそれで良しとする。

これだとあんまり目的を達したような気がしない。そこでさらに回ることに。続いて行ったのは旧中国領事館。いや、「うろこの家」に行くつもりが通り過ぎ てしまい、そこまで行ってしまったんだけど。ここで3500円払って「うろこの家グループ9館」を回ることの出来るチケットを購入。すでに昼ご飯のことな どどこへやら。ここから怒濤の異人館めぐりが始まったのだ。
旧中国領事館はやっぱり中国の家具が多い。こちらの欲しいイメージとはちょっと違うので、とりあえず撮影はするがパス。続いて北野外国人倶楽部(旧フ リューガ邸)。ここは結構ものの揃ったキッチンがあったり、その上にメイドさんの部屋があったりで結構面白い。外では特選入館券を買った女性がドレスを着 させてもらったりしている。結構良い感じだ。そして山手八番館(旧サンセン邸)。やたらと仏像や前衛彫刻なんかがあったりして、仏教美術展を見ているよう だ。しかも何故だか1階にも2階にもドン・キホーテとサンチョの像がある。何なんだろう、これは?
さらに「うろこの家(旧ハリヤー邸)」。ここは良いぞ!タイプライターにカメラと三脚。それにあれはテニスラケットか?うむ、良いものを見せてもらった。ついでに言うと隣の「うろこ美術館」も良い感じだった。今度はあの2館だけを回るのも良いかも。

さぁ、中盤も終わり終盤戦開始。まずは市営の「ラインの館」へ。残念ながら調度品はほとんどなし。期待はずれであった。さらに旧パナマ領事館。船の模型 がたくさんあるところはさすがに海運国パナマの領事館である。しかも入り口にあるのはシーホース像ときたもんだ。ちゃんと頭をなでてきましたよ。
残るは3館。まずは英国館(旧フセデック邸)。1階にも2階にもバーがあり、カウンターがある。良いのは裏に井戸があったりしたところか。続いて洋館長 屋(旧ボシー邸)。ここにはいろんな調度品があって、非常によい。いろいろ撮影したが、ちょっとピンボケ気味だったのは、逆光になるポジションのものが多 かったからか。しかも自分で光を放っている調度品もあるし。最後はベンの家(旧アリソン邸)。家中剥製だらけ。ホッキョクグマもいたが、あれで2.5m か・・・すごく威圧感がある。やはり身長差があると威圧感はそれだけ出てくるものだなぁ。勉強になる。
これで全て回った。途中結婚式を行っているカップルがいたりして、良い感じの一日だった。

4.その後
 その後、中華料理屋を捜してハンター通りへ。ようやく見つけるも15時まで?時計を見てみると・・・あ、回ってら。うーん、残念。今度にするか。
やむを得ずそのままうろうろし、結局のところ駅前の地下飲食街で昼食。3時間に渡って歩き続けたものだから、足が棒のようだった。
昼食後はとっとと家に戻ってしまった。まぁ、こんなもんだろう、今日のところは。
次回は「風見鶏の館」とか、西の方を回ろう。いや、もう別に資料は揃ったから行かなくても良いという噂もあるのだが。